コーチングの神様が教える「できる人」の法則
エグゼクティブという人種には癖がある人が多い?
おそらくあなたの身の回りにいるエグゼクティブたちには、次のようなことが当てはまるのではないでしょうか?
- 極度の負けず嫌い
- 他人の提案になにかを付け足せないと気がすまない
- 他人を評価して自分の基準を押し付けようとする
- 人を傷つける破壊的コメントをする
- 「いや」「しかし」「でも」で文章をはじめる
- 自分がいかに賢いかを話す
- 腹を立ててるときに話す(感情的な興奮を経営のツールとして利用する)
- 頼まれもしないのに否定する。もしくは「うまくいくわけないよ。その理由はね」と言う
- 優位な立場を保つため情報を他人と共有しない
- きちんと他人を認めない
- 他人の手柄を横取りする
- 言い訳する
- 過去にしがみつく
- えこひいきする
- 間違いを認めない
- 人の話を聞かない
- 感謝の気持ちを表さない
- 八つ当たりする
- 責任回避する
- 「私はこうなんだ」と言いすぎる
ぜんぶ当てはまってしまったら、どうにも始末に負えませんね。
あなた自身はどうですか?
ここにリストとしてあげたのは「エグゼクティブの20の悪い癖」です。
勘違いしないでほしいのですが、ほとんどのエグゼクティブは基本的に仕事に関しては優秀です。
そうでなければその地位に到達していることはないはずです。
本書は原題は「What Got You Here Won’t Get Yo There」です。
直訳すると「あなたをそこに連れてきてくれたものは、あそこまでは連れて行ってくれない」。
ようするに「いままでのやり方ではこれ以上は無理」「もっと上に行くためには今までのやり方を変えろ」ということですね。
変えなければいけない「いままでのやり方」というのはいったい何でしょうか?
著者は、行動分析学に基づいて「成功すればするほど迷信深くなる」といいます。
心理学的に言えば、縁起担ぎは、ある行動をとった後に「正の強化」がつづくと、その行動が「正の強化」を引き起こしたと誤って信じることから生じる。
- オレンジのネクタイをしているときは成約率が高い。
- プレゼンの前は徹夜をすると成功する。
- 靴は新宿駅のあの場所で必ず磨いてもらう。
こういう思い込み・縁起担ぎは、成功している間つづきます。
成功しているエグゼクティブたちは、問題のある行動や発言があったとしても、結果として成果が出ている間はそれを変えようとは思いません。
前の「20の悪い癖」をもう一度見てください。
著者がいう「変えなければならない、いまままでのやり方」とは、こういう問題行動のことです。
人の話を聞かないから成功してきた、
のではなく
人の話を聞かないにもかかわらず成功してきた、のです。
他人の提案になにかを付け足してきたから成功した、
のではなく
他人の提案になにかを付け足してきたにもかかわらず成功した、のです。
ここまでの話に該当するエグゼクティブのみなさんは、自分の行動を変えなくていい理由をいっぱい思いついていると思います。
いままでうまくいってるのだから変える必要は無い。
その通りですね。
でも、もしこれからもうまくやろう、あるいはもっと成功しようと思うなら、この機会に自らを省みたほうがいいと思います。
できればエグゼクティブコーチを雇って。
おそらく屈辱的な経験になると思います。自分の嫌な部分を直視して、変えていく努力をするのですから。
しかし、もし少しでも変わることができたら、少しでも人の話を聞くことができるようになったら、まわりの人はもっと幸せになりませんか?
もっと楽しく仕事をするようになると思いませんか?
さて、本書は有名なエグゼクティブコーチが書いたコーチングに関する本です。
もしあなたが誰かをコーチする必要がある、あるいはエグゼクティブを任命する地位にあるなら読んでおいたほうがいいと思います。
もしあなたが変化を求めるエグゼクティブ本人なら、この本を読むよりもコーチを雇ってください。
そして、もしあなたが困った癖を持ったエグゼクティブの下で働いているなら……この本をこっそり机の上に置いておくというのはどうでしょう。