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ブレインストーミング(Brain Storming)とは

ブレストしてますか?

実際のところブレインストーミング(Brain Storming)は役に立つのかと疑問に思ったことはないでしょうか。

ブレインストーミングというのは、アレックス・オズボーンが「Brainsorm」として定義したものです。
広告会社のプロデューサーであったオズボーンは、部下の問題解決と発想における想像力が乏しいと感じていました。そして、その原因はアイデアを生み出すことよりも評価することに注力してしまうからだと思い、決めたのが次のようなブレインストーミングの基本的なルールです。

  1. 質より量
  2. 批判は禁止
  3. 役に立たないアイデア歓迎
  4. アイデアを組み合わせて発展させる

これだけです。会社や組織によっては独自のルールを決めているところもあるかもしれません。
でも、いざやってみると、なかなか思うようにいかなかったりします。とくに「2」は難しいと思いませんか?

実はブレストを成功させるにはスキルが必要なのです。
優秀なファシリテーターがいる場合、ブレインストーミングという会議手法は効果を発揮するでしょう。建設的な意見が次々と出て、会議が終わった後には参加者の表情はやる気で満ちているはずです。
でも、そんな優秀なファシリテーターを見つけるのはなかなか大変なことです。

安心してください、ただ漠然とブレストをするよりも1人でアイデアを考えたほうが良い結果が出るという実験結果があります。

長い間、ブレインストーミングはアイデアを生み出す良い方法だと考えられてきました。
しかしブレインストーミングが社会に広まると同時に、その謳われている効果が本当であるのか、さまざまな調査も行われていたのでした。

そして、驚くべき結論が出ます。

ブレインストーミングをしたグループと、そうでないグループが出したアイデアの数を比べたところ、ブレインストーミングをしなかったグループのほうがアイデアの数が多かったのです。

1991年、Mullenらはブレインストーミングに関する34の研究発表を調査しました。
34件の研究のうち24件で「ブレインストーミングをしないほうがアイデアが出る」という結論が出ていて、残りの10件でも両者には違いが見られないという結論でした。

アイデアの数だけではありません。

これらの研究のうち9件で、出されたアイデアの質についても比較していました。
このうち7件では「ブレインストーミングをしていないグループ」のほうが圧倒的に質が高かった、という結論が出ています(残り2件では違いが見られませんでした)。

結論としては
ブレインストーミングには謳われているような効果はない
のです。

さて、これらの実験で「ブレインストーミングをしなかったグループ」がどのようにアイデアを発想したか、興味がありませんか?
それが
ブレインライティング(Brain Writing)
と呼ばれる方法です。

ブレインライティングのやりかた

ブレインライティングにもやり方はいろいろあるようですが、上記の実験で用いられたのは、参加者が各自自由にアイデアを考え、それを集計する、という単純な方法だったようです。

当社で勧めているブレインライティングの手法はもう少し複雑なやり方をしますが、いずれにしてもブレインストーミングだけでアイデアを出そうとするのに比べると非常に実用的です。なによりも、スキルを必要としません

ブレインライティングというのは、口頭での発言を促すブレインストーミングと違い、参加者がアイデアを記入するシートを交換して進行する手法です。これさえ押さえれば正しいブレインライティングのやりかたというのはありません(できたら参加者の氏名は記入せず匿名にした方が望ましと思います)。ポイントは、ブレインライティングに時間をかけ過ぎないこと。短い時間で書かせることで、アイデアを判断しないで出す習慣ができるようになります。

ブレインストーミングのルールの2番目を思い出してください。

2. 批判は禁止

実は、会議での「批判」にはブレインストーミングで禁止されている「他人のアイデアを批判する」ことのほかにもうひとつあります。
それは「まだ発表してない自分のアイデアを批判する」ということです。

  • 『こんなこと言うと怒られるかも』
  • 『こんなこと言うと笑われるかも』
  • 『そのアイデアは面白くない』

など、ほかの参加者とアイデアを共有するまえに、自分で自分のアイデアを批判して押しつぶしてしまうのです。

ブレインストーミングでは「他人のアイデアを批判する」を止めることはできません。でもブレインライティングなら少なくともアイデアを書いている間はほかの参加者からの批判にさらされることはありません。そして「まだ発表してない自分のアイデアを批判する」を止めるには、判断する時間を与えずどんどん書くことがもっとも簡単な解決策です。

結局のところ、アイデアをたくさん出すためには、アレックス・オズボーンの言う通り

  1. 発想:アイデアをだす
  2. 判断:出たアイデアを検討する

という二つのフェイズを明確に分離することが大切になりますが、残念ながらブレインストーミングではこのふたつを明確に分離できないのです(ブレインストーミングの成功は、ファシリテーターの能力や、参加者のこの手法への理解にゆだねられます。つまり属人的の要因が大きくなります)