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超常現象をなぜ信じるのか

新書ブームというのでしょうか?
各出版社から新書が次々と発刊され書店のかなりのスペースを占めるという状況は、昨年に比べると落ち着いてきているように見えますが、どうなんでしょう?

「新書の雑誌化」という指摘もあるようですが、新書の位置づけが雑誌と同様に「読み捨てるもの」になってしまっているのは間違いありません。
わたしもここ数年で大量の新書を読んでみましたが、記憶に残る本はほとんどありません。ましてや、処分しないで本棚にとっておこうと思うような新書は二・三冊しかありませんでした。

個人的には、そのへんの新書を読むよりも、講談社のブルーバックスがおススメです。

ブルーバックスが発刊されたのは1963年ということですから、人間で言えば介護保険料を支払っている年代です。

読む人に科学的に物を考える習慣と、科学的に物を見る目を養っていただくことを最大の目標にしています

「科学的に考える」という表現は、ともすれば専門的で数式や化学式がいっぱいでてきそうな雰囲気ですが、実際のところは「ロジカル・シンキング」「クリティカル・シンキング」とほぼ同じと思っていいでしょう。

 

このブルーバックスの中から今回紹介するのは『超常現象をなぜ信じるのか - 思い込みを生む「体験」のあやうさ』です。

いゆわる超常現象というのは、科学の常識を超えた現象です。
「UFOは宇宙人の乗り物だ」
「祖母が死ぬ直前、虫の知らせがあった」
「手相を占ったもらったら、思い当たることばかりだった」

こういったことを「信じている」状態というのは二種類に分けられると思います。

  1. 陰謀論(ユダヤ人、中国人、フリーメンソン、イルミナティ)などの信念に基づくもの
  2. 虫の知らせなどの体験に基づくもの

本書では後者のタイプを中心に話を進めます。
超常現象そのものの信憑性ではなく、ある現象を体験したときに、なぜ突飛な(つまり超常的な)解釈に飛びついてしまうのか?
人はなぜ間違った思い込みを持ってしまうのか、という点に関する入門書的な内容です。

オッカムの剃刀という言葉をご存知でしょう。

現象を同程度うまく説明する仮説があるなら、より単純な方を選ぶべきである

つまり、虫の知らせやシンクロニシティーなど突飛な説を出す前に単純に確率で説明できるのなら、そちらを選びなさい、という戒めです。
※もちろん、オッカムの剃刀を使用して選択した仮説の正しさを保証するものではありません。どちらかというと「経験則」という位置づけです。

「体験したこと」というのは「自分が体験したと思っていること」です。
「体験」には、つねに自分自身のバイアスがかかっているということを忘れないでおきましょう。